平成23年(第43回)社会保険労務士試験 雑感(5) 択一式 健康保険法

また、しばらく期間があいてしまいました。なかなかコンスタントに書いていくのは大変です。

そうはいっても、がんばってみます。


さて、今回は、健康保険法です。例年、健康保険法は細かな通達からの出題が多く、

得点しにくい科目でしたが、今年は全体的に得点しやすい出題だったと思います。

具体的にみてみましょう。


問1
ポイントは被扶養者の範囲ですね。Dの「
被保険者の配偶者で届出をしていないが

事実上婚姻関係と同様の事情にある者の父母及び子」の被扶養者の認定です。

基本論点ですので、もう一度基本テキストなどで確認してみましょう。


問2
健康保険法の「業務外」という基本論点からの関連通達からの

出題が正答へのポイントですね。

平成19年にも同様の通達から出題されており、

過去問題をきちんと学習してきた方にとっては容易な問題だったと思います。


問3

やや細かい論点かとは思いますが給付制限がポイントですね。

ただ「闘争、泥酔又は著しい不行跡」という給付制限事由は健康保険特有のものであり、

「全部について行われない」とする表現にも違和感をもってもらいたい選択肢です。


問4
埋葬料、埋葬費(埋葬に要した費用の支給)に関する論点がポイントですね。

正しいものを選ぶ形式の問題ですが、他のものの誤りは割と明確な問題でした。


問5
前払退職金についての問題ですね。
これも少し細かな論点だったでしょうか? 

やはり平成16年問1Aの問題と同様の問題です。すべての論点を網羅して

学習することは困難だと思いますが、まずは3年分、5年分、7年分、10年分と、

時間の許す範囲で過去問題にあたることは重要ですね。
特に健康保険法では、理解するというよりも知っているか否かで

解答できるか否かが分かれてしまう問題が多いので、

そこことを意識しながら学習することが必要になります。


問6
少し解答しにくかった問題だったでしょうか?

正しいものを選ぶ問題でした。Eが正解肢と思われますが、

Dの基準を定めるのが「中央社会保険医療協議会」ではなく、

「厚生労働大臣」であったことを思い出せればよかったと思いますが、

それが思い出せないとDEで迷ったことでしょう。


問7
この問題はできなくともよかった問題です。

本試験ではいかにこのような問題を捨てることができるか、

スパッと判断することも必要です。


問8
正解肢となるCは高額療養費の論点として基本の範疇のものといえます。

他の誤りも割と明確なので正解していただきたい問題でした。


問9
できがあまり良くなかったような感じですが、いかがですか?

誤りの根拠となる傷病手当金と障害厚生年金の優劣については

しっかりと押さえていただきたい論点です。


問10
保険料の繰上げ徴収がポイントとなった問題です。

納期前でも行うことができる繰上げ徴収について、

再度確認しておきましょう。


(続く)

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